『傍迷惑な女達』番外編

第一印象




それぞれの立場から、それぞれの第一印象を描いています。








case1 和晴とライラ


その人の事は人伝に聞いていた。

親父は若い頃にきちんと籍を入れた結婚をしていて、とっくに離婚しているがその人との間に娘がいるってコトを。

つまりはオレ達にとっちゃ母親違いの姉に当たる人になる。

母親に引き取られて向こうで暮らしているって言うから、会う事もないんだろうなと思っていたんだが、どーゆーワケか日本に居るって話を聞いた。

それもナニを考えてんだか、親父の会社に入ったとか。

そんなにあのクソ親父に会いたかったのか?

でも、ソレを聞いてもオレには縁がない話だと思っていた。

彼女から話し掛けてくるまでは。


「アナタが波生和晴?」

オレはフルネームを呼び捨てにされて、その声の主へと振り返った。

見れば胸元を大胆にカットされたミニのドレスを着た金髪のナイスバディな女がニッコリ笑って立っていた。

オレはチラリと全身を見回してから、ニッコリと笑い返した。

「Yes, My name is Namiki. I beg your pardon, May I have your name?miss?」

オレは名乗りもしないで人を呼び捨てにした無礼な女に名前を尋ねた。

「あら、これは失礼。私はライラ・アクトン。あなたの姉に当たるものよ」

日本語が喋れないだろうと勝手に推測したのはオレだが、英語で尋ねたオレにその女は流暢な日本語で答えて来た。

「初めまして、で良かったでしょうか?ミス・アクトン?それともお姉様とお呼びするべきでしょうか?」

まさか彼女の方から話し掛けてくるとは思っていなかったオレは、内心の驚きを笑顔で誤魔化してご丁寧に答えてやった。

「初めまして、で合っていると思うわ。好きな呼び方で結構よ。ただ顔を見たかっただけなの、何しろ半分とはいえ血が繋がっている兄弟なんて今まで見た事がなかったから」

オレの姉貴だと名乗った女はそう言ってオレを遠慮なくジロジロと見た。

ま、さっきオレもチラリとだけどチェックを入れさして貰ったからお相子だ。

「他の兄弟の顔もご覧になりますか?あちらに弟と妹がおりますが?」

オレ達は動物園のサルじゃねぇ!と思いながらもオレは笑顔を崩さずに教えた。

「ああ、ツインズだとかいう・・・そうね、会ってみたいわ」

「では、ちょっと失礼します」

オレはそう言って失礼極まりない姉貴に背を向けた。

ナンなんだ?アノ女は!

オレ達に会ってどーすんだっつーの!


オレは会場の隅で制服姿のダサい女と話している弟と妹に声を掛けた。

「オイ、ちょっとコッチこい!」

不機嫌さが伴ってオレは乱暴に二人を呼び付けた。

「なんだよ」「なに?」

邪魔をされた弟も不機嫌そうだし、妹はオレの機嫌を気にせずのんびりと返事を返す。

これで双子だっつーんだから、生まれた時から見ているオレでも信じられねーくらいに似てねぇ。

オレは二人の肩に腕を掛けて声を潜めて告げた。

「オレ達の母親違いの姉貴っつーのが来てる。おめーらの顔が見たいんだと。挨拶出来んな?」

二人とも身長差があり過ぎだ!弟はオレよりデカくて妹はチビ過ぎだからヘンな格好になっちまう。

オレの言葉に二人とも頷いた。

妹は平然としていたけど、弟は途端に緊張し出す始末。

「よし、行って来い!あの金髪のグラマーなねぇちゃんだ。ライラ・アクトンとかゆーらしい」

オレは二人を見送る姿勢を見せた。

「え?兄貴は?」

驚いた弟にオレは手を振った。

「オレの挨拶はもう済んでる。あ、日本語は達者だから安心しな」

あんな女とこれ以上話すのはゴメンだ。








case2 ライラと双子


「は、初めまして、波生靖治です」

「初めまして、波生静香です」

やって来た二人を見て、私は驚いた。

さっきのボーヤより背の高い少年と、それよりも頭一つ以上低い可愛らしい女の子。

いくら異性で二卵性の双子とは言え、これほど似ていないのも珍しい。

「初めまして、ライラ・アクトンです」

さっきのボーヤは余程、第一印象で気分を悪くしたのか弟達を寄こしただけで私に近寄って来ない。

好奇心を丸出しにし過ぎた所為ね、ちょっと失敗しちゃったかしら。

ニッコリと笑った私に少年は真っ赤になって俯いた。

可愛い!見掛けに依らず純情なボーヤなのね。

女の子は愛らしく微笑んで物怖じせずに挨拶をした。

意外と度胸が据わっているのかも。

「突然、ごめんなさいね。今度、あなた達のお父様の会社に入る事になって、それで是非お会いしたいと思っていたの」

今度は好奇心を引っ込めて手順を踏んで挨拶をした。

すると、真っ赤になった少年は口はパクパクさせているだけだったけど、大人しそうな女の子が微笑みながら答えてくれる。

「いいえ、日本にいらしているのは伺っていました。お会い出来て嬉しいです。ミス・ライラ」

まあ、可愛い!しっかりしているしオドオドされるよりも余程好感が持てるわ。

「良ければ『お姉様』と呼んで欲しいわ。私も『静香』と呼び捨てにしても構わないかしら?」

「はい、お姉様」

うんうん、可愛いわ。気に入ったわ。

「あなたは父親に似ていないのね?お母様に似ているのかしら?」

黒い髪に黒い瞳、東洋人らしい顔立ちをしているもの。

「はい、残念ながら。母に似ていると言われます」

「あら、ちっとも残念なんかじゃないわ。女の子は母親に似るのが一番いいのよ。私も色以外は母親に似ていると言われているし。あなたを見ているとあなた方のお母様がどれだけ魅力的な方だったのかよく解かるわ」

女の趣味は悪くないのよね、あの人は。

私がニッコリと笑ってそう答えると、静香もニッコリと笑って返した。

「お姉様はお父様にはもうお会いになりましたか?」

静香に聞かれて思わず苦笑が浮かぶ。

「ミスター・クリフォードは新入社員一人一人にお会いになったりはなさらないわ」

別に彼に会いたくてこの会社に入った訳ではないんだけど、信じて貰えるかどうか・・・ま、無理よね。








case3 静香とライラ


私は彼女の言葉に思わず「嘘!」と大きな声で否定してやりたかったけど、取り敢えずニコニコして「そうですか」とだけ答えておいた。

会いたくないなら日本にわざわざ来ないでアメリカに引っ込んでいればいいのに。

まったくお父様ってば、女性を引き付ける力だけは強いんだから。

このライラ・アクトンとか言う女性は臆面もなく『自分は母親に似ている』と主張した。

それって『私の母も美人でスタイルが良かったのよ』と言外に言っているようだわ。

胸が大きいのを強調する様な服を着て・・・どうせ私はチビで胸がありませんよ!

日本人だもの、仕方ないじゃないの。

お母さんは胸が小さかった訳じゃないんだから、私だってこれから大きくなる可能性が無いとは言えないのよ。

それに、私は彼女とは違う可愛いタイプなんですもの。

と、とにかく、今、お父様と一緒に暮らしている娘は私だけなんだから!

ニコニコと従順に対応していると、彼女は邪気のないような笑顔で返してくる。

単純なのか、それとも裏を窺わせないほど、したたかなのか判らないけれど、大人しく対応しておいて損はなさそう。

彼女からも色々と話を聞いてみたいし、彼女の真意を窺わなくてはね。







case4 靖治と静香


露出の派手な服を着た『義姉』という女性と挨拶をしてから、どこに視線を定めたらいいのか迷って困っていると、静香とその『義姉』はニコニコと穏やかに会話を始めた。

その笑顔が怖いよ、静香。

妹の・・・静香は『私の方が10分先に生まれたからお姉ちゃんなの!』と主張するが、そして戸籍で確認すると確かにそうなっているが、身体の大きさで文句は言わせない。

とにかく、妹の静香は身体は小さくて可愛らしい容姿をしているが、中身はどうして侮れないヤツだ。

俺達は母親が亡くなって父親に引き取られた時、今まで通っていた保育園から私立の幼稚園に移った。

入るのに試験を受けなくてはならない様な所だった。

その所為か、俺と静香は今までに受けた事のない虐めを受ける事になった。

理由は簡単、俺達が愛人の子供でハーフだったから。

所謂、いいところのお坊ちゃんやお嬢さん達は異分子を排除しがちだから。

俺は喧嘩が猛烈に強かった兄貴に泣きついたり先生に言いつけたりと、些か情けない対処しか出来なかったが、静香は違った。

初めの頃は母親が亡くなったショックで喋れなかったという事もあったからかもしれないが、静香は黙ったまま静かに(いや、ダジャレじゃなくて)反撃した。

小突いてくるヤツには平手打ちを返し、髪の毛を引っ張るヤツには頬を抓り返し、靴を隠されれば俺以外の全員の靴を一人一人捨てて回った。

同等以上の仕返しをする静香に次第に虐めは沈静化してしまった。

それは小学校に入っても同じ事で、俺は相変わらず上級生の兄貴頼みだったが(兄貴は普段は怖いが、虐められたと泣きつけばすぐに仕返しをしてくれたから)静香は黙々と自分一人で、陰湿な虐めに陰湿に対応した。

なまじ、小柄で普段は大人しい分、大人からの受けは良く、仕返しされた子が『静香ちゃんに虐められた』と言っても、信用されないか逆に虐めた事を暴露させられるかのどちらかとなった。

『波生静香は怒らせると怖い』

これが幼稚園と小学校の時に男子達の間で囁かれた言葉だった。

何故、男子達の間でだけかと言うと、女子の間では静香は大人しくニコニコしていたからだ。

幼稚園はともかく、小学生になると女子の虐めはかなり陰湿になるらしく、犯人が判らないように巧妙だったらしい(らしい、というのは流石に俺は女子からは虐められなかったから、無視されただけで)

女子の前でニコニコしていた静香だが、学校から帰ってくると、その日に受けた虐めとその仕返しの様を俺に詳しく語ってくれた。

にっこりと可愛い笑顔を浮かべて。

それはもの凄く怖かった。

そしてその『報告会』は静香が私立の中高一貫の女子高に進んでも時々行われた。

俺が女性の笑顔に不信感を植えつけられた出来事だった。

けど、沙枝ちゃんだけは違った。

彼女は静香の様にニコニコしたりはしない。

俺にビシビシと厳しく物を言うか、屈託のない明るい笑顔を浮かべるだけだから。

彼女以外の女性の笑顔を俺は信用しない事にした。







case5 靖治とライラ


この俺達の『義姉』だというライラ・アクトンさんは静香に負けないくらいの笑顔で対応している。

静香の様に裏表が激しい人なのかな?と思っていると、いきなり俺の方を向いて話を振って来た。

「あなたはどちらかと言えば、クリフォード家のお爺様に似ているわね、靖治」

俺はその一言でライラ・アクトンさんがすごくいい人なんだと思った。

何故なら、その言葉がとっても嬉しかったから。

俺は父親や母親に全然似てなくて、母親に似ている双子の妹の静香にも似ていないし、成長するに従って父親に似て来た兄貴にも似ていない。

身体も大きくて『病院で取り違えられた子供』ではないかと言われてきた。

何しろ、俺達は双子で、生まれた時は未熟児だったらしいから、NICUに入っている時に間違えられたのだとも言われたりした。

静香がどうやって見つけたのかは知らないが、父親の両親の写真を見せて『ノブはお爺さんに似てるんだって』と言ってくれなければ、俺は兄貴や静香と兄弟ではないんじゃないかと疑ったままだった。

それと同じ事を言ってくれたライラ・アクトンはいい人だ!

さすが、俺達の義理とはいえ姉だけの事はある。

俺は嬉しくて義理の姉に笑顔を浮かべる事が出来た。







case6 静香と葵


中等部の入学式が終わって、新入生達が講堂からゾロゾロと出てくる。

私はクラスメートと共にそれを教室の窓から眺めていた。

「あ、静香さん、成島さんのお嬢さんはあの方よ。ホラ、おかっぱ頭で姿勢のいい、あの」

私は教えて貰った特徴の新入生を探した。

それはすぐに判った。

本当に姿勢が良かったから。

『母親にあまり似ていないのね』

それが最初の印象。

それは嬉しいのか、ガッカリしたのか、ハッキリとしない何とも言えない感じだった。


お父様にお爺様とお婆様の写真を見せて貰ってから、お父様が居ない時にこっそりと書斎に忍び込んでアルバムをよく見ていた。

すると学生時代の若いお父様の写真の中に日本人らしい女性が時折写っていた。

もちろん、二人だけの写真ではなく、何人もの人達との集合写真の中にだけれど。

そして耳にした噂話。

『クリフォード氏は留学中の成島の奥方に惚れこんで日本に拠点を移したらしい』

お父様はお母さんではない人が好きだったの?

だから、お母さんと結婚しなかったの?

私はもの凄いショックを受けた。

まだ子供の私は、そんなに度々集まりに呼ばれる事はなかったけれど、それでも財界人が集まる場所で『成島の奥方』を探す様になった。

父が焦がれていた女性とはどんな人だろうと思って。

偶然見かけたその人は、あの写真の人だった。

とても綺麗な人だった。

私の母とは全く違うタイプの人。

美しく自信にあふれて、育ちが良さそうな優雅な仕草をする人。

隣にはいつも優しそうなご主人が一緒だったけど。

娘がいると聞いた。

私よりも2つ下で、今度私のいる学校に入ってくると。

私はその娘を見たくなった。

そして彼女と面識があると言うクラスメートに頼んで教えて貰った。

「あれが成島葵」

学年が2つも違えば、接点は少ない。

部活や委員会で一緒にでもならなければ。

私はそんな事になったらどうするべきかとドキドキしたけれど、結局、私と彼女は私が在学していた4年間の間、接触する様な事はなかった。

私はホッとした。

私と彼女は縁が無かったのだと。

父と彼女の母親がそうであったように。

けれど、卒業した後で彼女と深く関わる事になるとは思ってもいなかった。

年下の義姉が出来るとは思ってもみなかったわ、カズ兄。







case7 葵と静香


「葵、コレが料理の出来ねぇ妹の静香」

彼に呼ばれて、彼のお父様の会社のパーティとやらに出ると、彼の妹さんを紹介された。

「失礼な紹介の仕方をしないで、カズ兄!初めまして成島葵さん、和晴の妹の静香です」

酷い紹介の仕方をした彼を詰ってから、静香さんと言う妹さんは私にニッコリとした笑顔を向けた。

私よりも年上で学校の先輩でもある静香さんは、私よりも小柄な可愛らしい感じの女性だった。

「初めまして、成島葵です。この度は突然お邪魔いたしまして申し訳ございません」

彼のお父様の会社の社員とその家族の為のパーティなのだから、私は当然部外者だ。

一礼した私に、静香さんは優しく声を掛けてくれた。

「あら、社員とその家族の為のパーティですもの。将来の家族になる葵さんがいらっしゃっても全然問題ありませんわ」

将来の家族と言われても・・・喜んでいいのか?

それとも、ただ単に冷やかされているだけだろうか?

「恐れ入ります」

無難に言葉を返す事しか出来ない。

「オイ、静香!葵を苛めんなよ!」

彼が私の肩を抱き寄せて静香さんを怒鳴った。

ああもう、そんな事を言えば益々からかわれるのに。

「あら、失礼ね。誰が誰を苛めているですって?私、何か気に障るように事を申し上げました?葵さん」

彼の言葉に気を悪くした静香さんが、私に尋ねてくる。

これは結構、毒が含まれているのかもしれない。

そう、確かに静香さんは私の先輩に当たる、あの学校を卒業した方なのだから。

「いいえ、何も。和晴さん、あなたの仰る事は的が大きく外れていらっしゃいますよ」

私が彼を窘めると、彼は何とも言えないような顔をして黙った。

「ほら、葵さんもそう仰っているわよ?」

静香さんがそう言って私にニッコリと微笑んだ。

私も軽く笑みを浮かべて返す。

この妹さんは中々どうして侮れない方だ。







case8 靖治と葵


俺、彼女と見合いしなくて本当に良かった!

何故か兄貴の恋人となった成島葵という女の子と静香の会話を聞いていて、俺はつくづくそう思った。

怖いよ!

あの静香のニコニコ攻撃に怯みもせずに無表情で淡々と会話を交わし、最後に少しだけ笑顔?

あれ笑顔なのか?を見せた成島葵って女の子は凄いと思う。

兄貴もよくあんな子を恋人にしたなぁ。

確かに綺麗な子だけど、すごく冷たそう。

無表情って言うよりもあれはもう無愛想の域に達しているし、俺、とてもじゃないけど付き会ったりなんて絶対、出来ない。

まあ、兄貴は面食いだから、いいのかもしれないけど。

それにしても、俺の見合いについてやけに親切にしてくれると思ってたら、そう言う事だった訳か。

まあ、結果オーライでいいけどね。

「んで、コイツがオマエと見合いし損ねた弟の靖治」

だから、さっきから何て紹介の仕方をするんだよ兄貴!

俺の事なんて紹介してくれなくてもいいのに!

でも、そう言う訳にもいかないんだろうなぁ。

俺は諦めて挨拶をした。

「は、初めまして。波生靖治です」

「初めまして、成島葵です。この度は色々とご迷惑をおかけいたしました」

礼儀正しく一礼したその子がそう言うと、兄貴が不機嫌そうにその言葉に突っ込んだ。

「迷惑ってナンだよ?」

「あなたと私が靖治さんにお掛けしたものです」

す、凄い!不機嫌な兄貴には俺だって近付きたくないのに、この子は平然と言い返した。

「オレとオマエがノブにナニしたっつーんだよ?」

「靖治さんは私とのお見合いをお断りする為に、お父様に好きな方の事を話す羽目になったそうではありませんか?あなたが私との事を最初から正直にお父様にお話されていれば、そんな必要はなかった筈です」

凄む兄貴にここまで淡々と言い返すとは・・・さすが、兄貴の選んだ相手だけの事はある。

彼女に言われて睨まれた兄貴は黙ってしまったし。

すると、彼女は突然、俺に向かってこんな言葉を掛けた。

「靖治さんは和晴さんからお父様に好きな方の事を話すように助言を受けたのではありませんか?」

俺は何も言えずにただ頷くだけだった。

「やはり・・・大方、私との付き合いをお父様にお話せずにお見合いを潰そうとなさったのでしょうけれど、やり方が姑息です」

彼女の批難に兄貴は困った顔をして、何も反論せずに黙ったままだ。

凄い!凄過ぎる!怒った兄貴を黙らせただけでなく、糾弾までするとは。

「カズ兄ってば葵さんの前では形無しなのね」

俺の後ろから静香が覗きこんでそう呟いた。

確かに。

それは兄貴の耳にも届いたらしく「うるせぇな」と呟いた。

しかし、それを聞き咎めた彼女は尚も兄貴を糾弾する。

「和晴さん、あなたは先程からご自分のご兄弟に対するお言葉が酷過ぎます。幾らお身内とは言え、礼儀も何もないではありませんか?そんなにご兄弟を私に紹介するのがお嫌ですか?」

「イヤなワケねーだろ!」

「では何故です?恥ずかしいとでも?」

彼女の容赦ない言葉に兄貴は顔を赤くした。

あの兄貴が!

こんな顔するなんて・・・見た事が無い。

成島葵と言う女の子はもの凄い人だ。

もしかしたら、多分きっとその確率は高いと思うけれど、この子が兄貴と結婚すれば俺達の義理の姉になる。

年下でも兄貴に引けを取らないどころか遣り込めてしまう彼女は相応しいのかもしれない。

何と言っても兄貴が付き合っている女性を俺達に紹介するなんて初めての事だし。

真剣なんだな、兄貴。







case9 ライラと葵


スゴイわ!あの和晴が真っ赤になって何も言い返せないでいるなんて!

あの成島葵という女の子は日本人形のような顔をしているけれど、どうしてどうして、しっかりしたお嬢さんじゃないの。

静香とはまた違ったタイプで可愛らしいし。

うん、私は気に入ったわ!

「初めまして、成島葵さん。私はライラ・アクトン。和晴達の腹違いの姉ですの」

和晴はまだ立ち直れていないから、私は自分で自己紹介する事にした。

「初めまして、成島葵です」

丁寧に頭を下げてから、私にじっと真っ直ぐな視線を向けてくる。

うん、気が強そうな所も気に入ったわ。

私は思わず口元が緩んで微笑んでしまう。

「大勢で取り囲んでしまってごめんなさいね。でも、和晴が女性を私達に紹介してくれるのは初めてだから、みんな喜んでいるのよ」

そう、まさかここまで本気だとは思わなかったけど。

「いえ、和晴さんのご兄弟が多い事は、母からも聞いております。私には年の離れた妹が一人いるだけですから、和晴さんがたくさんのご兄弟をお持ちで羨ましいと申しておりました」

へえ、あの成島の奥さまがね、ふ〜ん。

ま、あの人が勝てるのは子供の数くらいでしょうしね。

「和晴さんのお父様と母は昔、同じ大学で机を並べた事があるそうで、旧知の間柄だそうですが、先日もお会いした際にお子様方の自慢ばかりをなさっていたと母は申しておりました」

私はその言葉にとても驚いた。

あの人が子供の自慢をした?

それは和晴達も同じだった様で「え?」「うそ?」「ホントに?」と言った反応をしている。

それにしてもこの子は・・・多分知っているんでしょうね。

その上で平然とあの人と自分の母親について話すなんて、度胸もあるのね。

うん、益々気に入ったわ。

靖治といい、和晴といい、いい子を選んだものよね。







case10 沙枝と和晴と葵


ノブちゃんの周りには兄弟が一堂に揃って何やら話をしている。

見慣れない女の子がいるけれど、あれが話に聞いたお兄さんの彼女かしら?

遠目からでもとても綺麗な子だと判る。

煌びやかな集団だわ。

髪を染めてパンクな格好だったノブちゃんのお兄さんは、彼女が出来た途端に髪を短くして黒く染め直したらしい。

服装もまともになったとノブちゃんが嬉しそうにしていた。

そんな風に変われるなんて、彼女はとてもいいところのお嬢様なんだろうな。

ノブちゃんのお家なら、そう言う処のお嬢さんと付き会ったっておかしくないんだろうなと思う。

本当に、どうしてあたしと付き合ってんのかなぁ、ノブちゃんてば。

いや、不満がある訳じゃないけど、彼は優しいし、年下だけど。

不安は常に付き纏う。

あ〜やめやめ、折角のパーティなんだから楽しまなきゃ!

前回、食べ損ねた分も取り戻さなきゃ!ご馳走、ご馳走!


「た、食べ過ぎたかな?」

あたしは胸焼けを起こしそうになって喉元を押さえた。

食い意地を張り過ぎたかしら?

化粧室に向かおうとしたあたしは、人の話し声に思わず観葉植物の陰に隠れた。

いや、別に後ろめたい所がある訳じゃないけれど、ノブちゃんの名前が聞こえた様な気がしたから。


「またどうしてそんな事を?」

「いや、だってさ」

チラリと話をしている人の顔を見ようと観葉植物から顔を出せば、話をしていたのはノブちゃんのお兄さんとその彼女らしき人。

困ったな、移動した方が良いよね?

そう思って彼らを見ながらそろりそろりと観葉植物の陰から出ようとしたら・・・

な、なんと二人は、キ、キ、キスを始めてしまわれました!!

あ、あの・・・ここは公共の場所なんですけど、一応。

た、確かに人はいないし、ホテルの中ではあるんですけど、それにしても・・・

こ、困ったわ・・・どうしよう・・・

あたしは再び、観葉植物の陰に戻るしかなかった。

だ、だって!気付かれたら、とっても気まずいでしょう?

あたしがじっと身を固くしていると、もっと拙い事態になった。

「・・・ん、ダメ・・・こんな所で」

そ、そうそう、そうですよ、場所を考えて下さいよ!

「いいだろ?ホラ、もうこんなに・・・」

キャー!やめて!

あたしはとても目を向けられなかったけれど、声が聞こえてくるから、二人がナニをしようとしているのか想像するだけでも恥ずかしい!

思わず耳を塞いでしまった。

目を瞑って、耳を塞いで、顔を真っ赤にさせてじっとしていると、ポンと肩を叩かれた。

「ヒッ!」

あたしは飛び上がりそうになるくらい驚いた。

まさか・・・見つかった?

恐る恐る、目を開けると、そこにはノブちゃんが心配そうに顔をしてあたしを覗き込んでいた。

「沙枝ちゃん、大丈夫?気分でも悪いの?」

チラリと彼らが居た場所を覗くと、そこにはもう誰もいなかった。

ホッとしたあたしは、立ち上がろうとして・・・

「・・・気分は悪くないけど、腰が抜けたみたい」

あたしは情けない声を出して、ノブちゃんの手を借りて立ち上がった。

そしてそのまま彼に支えられて暫く歩かなければならなくなった。

ノブちゃんのお兄さんはともかく、彼女さんの方は大人しそうなお嬢さんに見えたけど、あの人と付き合っているんだから・・・それなりに・・・経験していらっしゃるのね。

まあ、仲が良くて結構ですけど。

あたしはあの二人にずっと後になってから、改めて紹介される事になるんだけど、とても気まずかったのは言うまでもない。







case11 潤と和晴


「失礼ですが、成島さんでいらっしゃいますね?」

そう話し掛けてきた若者を見て、私は少し戸惑う。

今日の娘の見合いの相手とは明らかに違う人物であったから。

「そうですが?なにか?」

座ったまま、立っている彼を見上げてそう答えると、彼は一礼してから驚くべき事を告げた。

「突然、お邪魔して申し訳ありません。私、波生和晴と申します。お嬢さんと、葵さんとお付き合いをさせて頂いている者です」

その言葉に娘も彼を仰ぎ見る。

本当ですか?葵?

「誠に勝手な言い分ですが、本日のお見合いはお断りして頂きたく、お願いに参上いたしました」

丁寧な口調だが、強引だ。

見れば、スーツを着て身形を整えてはいるが、短い髪で隠し切れていない耳には穴が幾つか空いているし、軽佻浮薄な様子が窺える。

彼の登場と言葉に驚いた妻が娘に彼の言葉の真偽を尋ねると、いつもは大人しい娘が突然、激昂して否定した。

すると、呆気なく馬脚を露わす。

やはりな。

口論を始めた娘と彼を静かに見守っていると、妻の呟きが漏れた。

「ねぇ、潤。見た?」

これが目に入らない程、私は目が悪くはありませんよ。

呆れて言葉少なに賛同する私に、妻はのんびりとこう続けた。

「驚いたわぁ、葵があんなに怒るなんて・・・もしかして初めてじゃない?」

そちらですか?

驚くべきことは他にも多々あると思いますが。

でも、まあ確かに。

「そうですね、今まで見た事が無かったかも知れませんね。葵は親に刃向かった事は一度もない、反抗期もない子供でしたから」

私は素直に妻に賛同の意を表した。

「でも、ステキねぇ・・・彼女のお見合いをブチ壊しに来るなんて・・・潤、アンタも彼を見習いなさいよ。アンタってばあたしのお見合いの時、何にもしなかったじゃないの!」

妻の思考の結論はいつも思いがけない所へと行きつく。

まさか、この場で過去の私が批難されるとは思ってもみなかった。

「ええ?今、それを持ち出すんですか?何十年前の話だと思っているんです?あの頃私はまだ高校生でしたし、第一、見合いはあなたが自分で勝手に断ってしまったでしょう?」

私が口を挟む予知などまるでなかった出来事を批難されて、私は少々困惑する。

「立場云々じゃなくて、気持ちの問題でしょ?あたしはねぇ!」

尚も言い募る妻を呆れた娘が止めた。

娘に指摘を受けて少し冷静になった妻が状況の把握に努めようとする。

助かりましたよ、葵。

妻に彼の言葉の真偽を確かめられて、娘は黙ってしまったが彼は肯定した。

先ほど表した馬脚を臆面もなく引っ込めて。

私は、先ほどから気になっていた事を尋ねた。

「波生というと、もしや・・・」

「はい、最初にお話があった波生靖治は私の弟になります」

やっぱり・・・どうしてこうもあの人との縁が続くのか・・・私は内心、とてもうんざりした。

見合いの相手もそれを潰しに来た相手も同じ彼の息子では、私にとっては意味がない。

彼は学生証を取り出して私達に見せ、彼の希望する進路について語った。

妻は素直に彼の優秀さを称賛するが、私としてはやはり面白くも何ともない。

学生証の写真は今の髪と色も形も全然違っているではありませんか。

そこは無視するんですか?

有名な大学の学生だからと手放しで褒めるのもどうかと思いますけど。

将来を視野に入れてなど、とんでもない事まで言い出すし。

まだ娘は高校生なのに。

今日の見合いだって、本人が望んでいる様だし相手も同じ年で結婚なんて随分と先の話になるだろうと引き受けたのに。

しかし、司法試験を受けると言うのであれば、具体的な話はまだまだ先になるのかな?

静観して彼の話を聞いていると、再び娘と口論を始めた。

今度は妻の問い掛けが二人を止める。

「ねぇ、葵はどうして跡を継がなきゃいけないの?」

妻の問いに応えた娘の言葉に、妻は憤慨する。

「ったく!あのクソ親父め!あたしの娘に何て事、教え込んでんのよ!」

「青華、子供の前でその言葉遣いは感心しませんが」

私は妻をやんわりと窘めた。

私達には娘が二人いるだけなのだから、義父に言われずとも、娘がそう考えるのも無理はないと思うのだが。

私の言葉に耳も傾けない妻は、娘の考えを否定するような言葉を告げる。

まあ、確かに娘には家の事に縛られずに好きな人と幸せになって欲しいとは思います。

思いますけれど、私は義父のようにいつまでも娘を傍に置いておきたいと考えていたんです。

婿養子を貰ったっていいじゃないですか。

しかし、尤もな妻の意見に異議を唱える訳にも行かず、黙るしかない。

唖然として何も反論しない娘も黙ったままだ。

調子に乗った彼が「では、葵さんと私とのお付き合いを認めて頂けますか?」と言い出しても娘は彼を困った様に見ているだけだし。

「そうね、それはあなたと娘次第じゃないかしら?ねえ?」

妻に賛同を求められても、私は頷く以外に何を言えと?

その後にやって来た、見合いの相手も彼は我々に一言も口を出させずに勝手に片づけた。

「お見苦しいところをお見せして申し訳ありませんでした。我が家は少々複雑でして」

そんな事は良く知っていますよ。

だから嫌なんです。

娘をそんな複雑な家庭の事情のある家に嫁がせたい親などいませんよ。

「あら、あなたが謝る必要はなくてよ。悪いのはあなたの父親でしょう?」

しかし、妻は寛容だ。

「そう言っていただけると、お恥ずかしいですがほっとします。本日はご無理をお願いして、申し訳ありませんでした」

我々が断る以前に、君が勝手に話を潰してしまったのではありませんか。

文句を言う隙も与えずに彼は続ける。

「勝手ついでにもう一つお願いしてもいいですか?この後、葵さんを連れ出しても構いませんか?」

彼の言葉に娘は顔を赤くした。

親の目の前で臆面もなく・・・私はとうとう堪忍袋の緒が切れた。

「それは構いませんが、波生くん」

私は立ちあがって、彼の前に立った。

「葵はまだ高校生ですから、節度のあるお付き合いをお願いしたいですね」

この前の様に夜中に連れ出すなど言語道断です。

「はい」

殊勝に返事をする彼だが、節度を越えた付き合いなのはとうに知れているのを解かっているのか?

「あと、これは葵の父親として」

そう一言添えてから、彼の腹部に握り締めた拳を放った。

顔を殴って指を痛めたのではピアノが弾けなくなる。

彼は私からの一撃に後ろへと数歩下がり膝をついた。

「お父様!」

娘が私を批難するように叫んで彼に近寄ったけれど、私はやっと少しだけ溜飲を下げた。

「娘を泣かせた罰だと思って下さい。二度と泣かせたら承知しません」

あの日、娘が朝帰りをした時、娘を問い詰めた妻に娘は何も答えられずにただ涙を零していた。

声も上げずに、ただ黙ってボロボロと涙を零す娘に私達は何も言えなかった。

それは、家を継ぐ事に縛られていた娘の考えに至らなかった私達にも責任があるのかもしれない。

けれど、娘に辛い思いをさせたのは彼にも責任がある筈だ。

もっと早く、私達に挨拶が出来る立場であれば、娘を悲しませるような事にはならなかったのではないか?

私の言葉に彼は膝をついたその場に土下座をした。

「申し訳ありませんでした!二度と泣かせません!」

素直に非を認めると言う事は、彼にも娘を泣かせた自覚があると言う事だ。

二度と、などと言う言葉が信用出来ますか!

私は下げられた頭を足で踏み潰してやろうか、と思ったのだが

「素敵よ!潤!やる時はやるのね!」

妻の言葉にそれを思い留まる。

残念だ。

「いえ、少しは父親の威厳も見せておかないと。青華に見限られそうですし」

何とか怒りを納めて取り繕うと、妻の言葉は容赦が無かった。

「そうね、これでさっき言ってた見合いの時の件についは少しだけ考え直してあげてもいいわ」

「まだ、それを言うんですか?」

私達は娘と彼をその場に置き去りにして、忌々しい場所を跡にした。

ホテルを出ると、重い溜息が洩れる。

ほんの少し前まで、葵は今の緋菜と同じように可愛らしい子供で・・・いや、葵は昔から大人びていたから緋菜ほど無邪気ではなかったが、まだ子供だったのに。

いつの間にか、男の為に涙を流すような女性に成長してしまった。

女の子の成長は早い。

「娘なんて持つものじゃありませんね」

私が思わず漏らした呟きに、ガックリと落した私の肩をポンポンと叩いた妻が追い打ちを掛ける。

「覚悟しておいた方が良いわよ。緋菜だってそのうち・・・」

「緋菜はまだ小学生ですよ!」

最低でもまだ10年、いや15年は先の話でしょう?

「まあまあ、アンタにはあたしが居るからいいでしょ?それとも、あたしだけじゃ満足できないとでも?」

妻の言葉に私は何とも言い返せずに、情けない表情を浮かべるしかない。

「無論、充分満足しています」

けれど、掌中の珠の様に愛しんできた娘を手離すとなる事とは別ですよ。

司法試験を受ける男か・・・弁護士ならともかく、検事や裁判官を目指しているのなら、転勤族になる。

それだと、文字通り娘を攫っていく事になる。

そうなると困るな。

彼は優秀そうだし。

「彼を婿養子にする件は諦めてしまうのですか?」

司法試験は難しいし、あまり長い間娘を待たせるようならば、彼に跡を継がせてもいいのではないかと思う。

「え?でも」

妻は私の言葉に驚いているが。

「彼は父親の跡を継がないようですし、名前だけでも彼と葵に継いで貰うと言う手もありますよね」

そう、そして彼が下手な希望を捨ててくれれば、娘はずっと手元に置いておけるかもしれない。

私はその可能性に賭けてみてもいいのではないかと思う。

「そうねえ・・・」

妻がその気になれば、今までそう考えていた娘の気持ちを変えるのも簡単だ。

波生和晴くん、君には我が家に婿養子に来て貰いましょう。

出来れば、法曹界を諦めて。

私はほんの少しだけ見えて来た明るい未来に漸く頬が緩んだ。







case12 緋菜と和晴


「よ!緋菜ちゃん!」

いつもは家族だけで過ごす筈の軽井沢の別荘にやって来たのは、何だか馴れ馴れしい感じの背の高い男の人。

名乗りもしないで人をチャンづけにするなんて、と思っていたらお姉ちゃんが紹介してくれた。

「お姉ちゃんのお友達で波生和晴さんよ」

「お友達ぃ?恋人だろ?」

二人はそこで友達か恋人かでケンカを始めてしまった。

何だか・・・何だかヤな人だ。

パパが「緋菜、こっちにいらっしゃい」と呼んでくれたので傍に行くと、抱き上げてくれて二人から離れた。

なんだかとっても不安になってパパにギュッとしがみついた。

「緋菜、あの人、キライ」

言葉遣いが乱暴な感じがするし、それに・・・お姉ちゃんにベタベタしてた。

パパは普段、人に対して嫌いとか言う事は良くないと言っていたから、怒られちゃうかな?と思ったけど。

「奇遇ですね、パパも嫌いです」

と言ってくれたのでホッとした。

「ヤな感じの人だよね?」

「ヤな感じの人ですからね」

やっぱり、パパとは意見が合う。

「パパは大好き!」

そう言っただけなのに、パパは悲しそうな顔をしてこう言った。

「いつまでそう言ってくれるんでしょうね」



 






























 

Postscript


case1

これは和晴が高校3年、双子が高校1年になったばかりの春の出来事です。
実はあまり第一印象は良くなかったお姉様でした。
カズ兄の外面の良さはこーゆー処で発揮されていました。

ちなみに、『制服姿のダサい女』とは沙枝ちゃんのことです。
カズ兄は大変失礼な男です。
彼女と知り合う以前の彼の女性蔑視が窺えます。


case2

実はお姉様の方には好奇心はあっても悪気はなかったのでした。
米国人はストレートな物言いをするので、日本人にはカンに触る事がある、と言う事で。
お姉様は可愛いモノがお好きなようです。


case3

出ました!ブラック静香(大笑)
やはり胸が小さいのを気にしています・・・ではなくて、もう一人の父の娘であるお姉様にジェラシー・ストームです(爆笑)


case4

さすがに双子なだけあって、ノブは静香のウラをよく知っています。
いや、無理やり知らされたというべきか。
カズ兄は薄々感づいている程度ですが。
だから静香ちゃんには恋人が出来ないのです(笑)ファザコンの彼女は気にしていませんが。
お父様はココまで黒いコトを知らずとも、兄や弟と毛色が違う事には気付いてます。


case5

シンプル・イズ・ベストな靖治クンです(笑)かーいーね。
静香のお陰で女性にトラウマ持ちになってしまったノブですが、お姉様には好意的になれました。
単純過ぎますけど。
ですが、沙枝ちゃん以外の女性全般が苦手なノブはお姉様への苦手意識は消えないままです(苦笑)


case6

静香が中学3年、葵が中学1年になったばかりの頃のお話。
静香も色々と考える所があって葵に興味を持って知っていた、だけです。残念ながら(苦笑)
あまり積極的に接触しようとは思わなかったようですね。
ま、当然かな?臭いモノには蓋をしろ!って感じかな?


case7

これは実は少し未来のお話。「薬指の決心」から2ヶ月後くらい?
あは、静香と葵のバトル勃発?
いえいえ、静香は葵の反応を見てみたくてちょっと挑発しただけです。
この二人は腹を探り合いながらも仲良くなっていって欲しい様な気もしますが、一定の距離を置いた付き合いだけでも構わないかな?
和晴は愚かにもそれに直ぐに気付かずに葵に怒られてしまいました(笑)
もちろん、それに気付いて黙りましたが。
お嬢様学校では、料理は教えなくても色々な社交術を学ぶようです(苦笑)


case8

良かったですね〜靖治クン。葵とお見合いしなくてホントに(笑)
初めて会ったばかりの年下の女の子をどう呼んでいいのか悩んでしまったので、ノブが葵をどう呼ぶか定まっていませんが、いずれは『お義姉さん』で決まりでしょう(笑)


case9

お姉様も好意的に受け止めて下さったようです(苦笑)
ライラは静香ほど青華に拘りがある訳ではありませんが、気にしない様に努めて何とか成功しています。
でも、葵の顔や家族構成については知っていたらしい(笑)
バカな人ね、と父親を思っています。


case10

覗かれた沙枝ちゃんが覗き返すというお話。
いや、別に彼女は覗きたくて覗いた訳ではありませんが。
ホントに場所を考えろよ和晴!

何故、ノブが沙枝ちゃんを迎えに行ったのか?
兄貴が知らせたから・・・にしてもいいですけど、それだとちょっと沙枝ちゃんがかわいそうかな?


case11

拍手は10パターンしか出せませんので(苦笑)追加のおまけです。
「薬指の決心」の裏話になります。
そーいえば、娘の父親としての立場の潤の視点だと面白いなと思って書き始めたら、長くなってしまったので、拍手に掲載するよりもこちらのおまけとして一緒にHPアップいたしました。

おとーさんは実は非常に怒っています(当然です)
妻の手前、冷静を装っていますが、可愛い娘を攫って行く男なんて誰だって気に入らないでしょう。
蹴りも入れてやればよかったのに(泣かせたのは誰だ!はい、私です)


case12

これも少し未来の話?夏休みに家族だけで休暇を過ごす筈の成島一家にお邪魔した和晴。
小学生の緋菜は上手く言葉に出来ませんが、鋭い野生の感覚で大切な姉を奪っていく男だと和晴を認識したようです(笑)
波生家一同からは概ね好意的に迎えられた葵ですが、和晴は成島家には概ね不評の様です(大笑)
婿養子に入ったら苦労するねぇ。



拍手掲載期間 2009.8.1-10.



 

 

 

 

 

 

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